
走行距離はもうすぐ6,000kmに達しようとしている。あいかわらず特に不具合はない。ボディも傷ひとつなく、洗車をすれば納車直後の新車かとまがうような輝きを取り戻してくれる。内装も昼夜とも屋内ガレージにしまっているせいか、紫外線の影響も最小限ですみ、これもまた新車同様である。
最近は新車の1,000km点検というのがなくなった。エンジンオイルも最初から10,000kmで交換である。点検も法定1年点検が最初だ。エンジンも昔と違って組み上げ精度も向上して、慣らしもオイル交換も不要になったのである。まあ、新車1,000kmでオイル交換だとか、3,000kmごとに交換だとかいうのは、消費者の不安心理につけこんだオイルメーカーやカーショップの戦略だったにすぎないのだろうが。
だが、これだけは今も昔もしっかりと管理しなければならない。タイヤの空気圧である。これが不足していると燃費も悪化するし、タイヤも偏磨耗をおこしたりして劣化が早まる。なによりも怖いのは高速でのタイヤバーストである。いわゆる「スタンディング・ウエイブ現象」というやつだ。わがC6のように、毎晩高速道路で○00km/h近くだしているクルマならなおさらのことだ。

これこそ本来走行1,000kmあたりでやらねばならなかったことなのだが、マニュアルをクルマから降ろしてじっくり見る機会がなかったこともあり、昨日まで延ばし延ばしになってしまっていた。なんせ、納車時に自宅で手渡されたマニュアルがグローブボックスに入らないので、助手席の後ろの狭い空間に入れたまま昨日まで一度も見なかったのだ。一度取り出そうとしたのだが、助手席が邪魔で運転席からは出せなかった。クルマを降りて助手席側からでないと出せない。なんとなく面倒なまま昨日までほったらかしになっていたのである。
ようやくマニュアルを持ち帰って見てみたが、肝心の空気圧はクルマのボディに貼ってあるステッカーに記載してあるとしか書いてなかった。運転席側のピラーに貼ってあるという。ぜんぜん問題にしてなかったので毎日乗り降りしているのにそんなステッカーなど見た記憶がない。そう思いながら見てみるとBピラーの根元にちゃんと大きなのが貼ってあった。
だがこれは本国仕様のままで単位が「パスカル」である。まあ「パスカル」は圧力の国際単位だから米国仕様だというわけでもないが、我われは空気圧というと、昔ながらの「2キロ」だとかのkgf/cm2しか使わない。ここに書いてある210kPaというのが何キロなのか見当もつかない。ましてや横に書いてある30PSIなどにいたっては全然わからん。ヤナセに電話して聞いてみようかと思ったが、こういう日に限って携帯を仕事場に忘れてきたので電話番号がわからない。ええい面倒だ、とにかくガソリンスタンドに行ってみよう。
さすがガソリンスタンドである。そこにある「空気入れ」にはちゃんとパスカルの表記もあった。偶然だが210kPaだと約2.1キロになる。これはたまたまここで数字が合うだけで、5キロが500kPaというわけではない。この辺になるとぜんぜん違う数字になってくる。ものの本によると1パスカルは1.0197 x 10-5kgf/cm2なのだそうだ。

空気を補充した後は予想どおり乗り心地が硬くなった。やはり少し圧が下がっていたのだろう。そういえば納車直後はこんな感じだったような気がする。